ホーム > イベント&キャンペーン > イベント > ギャラリー開催 過去の写真展 > 清水 哲朗 写真展 「BURGED」
(c) 清水 哲朗
モンゴル最西部バヤンウルギー県。ここにはモンゴルカザフ族が多く暮らしている。衣食住、言語、宗教などはいわゆるモンゴルのそれとは違い、他国を訪れているかのような印象を受ける。標高 4,193mのツアンバガラウ山脈の麓で遊牧生活をしているサパルとアイボラット兄弟と初めて出会ったのは 2002年 2月。猛禽類最強のイヌワシを扱う鷹匠の生活に興味を持ち、人づてに紹介してもらったのだ。彼らの暮らす土壁の家に到着したのは真夜中。短くなったローソクの灯りの下、途切れ途切れに聞こえるカザフ語のラジオに耳を傾けていたのを覚えている。突然の日本からの訪問客に驚きと興味と猜疑心が顔色に表れていたが、紙と鉛筆、折り紙、デジカメが良いコミュニケーションツールになり 4日ほど泊めさせてもらった。あれから何度となく訪れ交流を深めてきたが、東日本大震災後にひょっこりと顔を出したときの驚きようはなかった。「津波で死んだかと思っていた」と何度も言われた。テレビで繰り返しあの映像が流れたことであきらめていたようだ。驚いたのはこちらも同様。ソーラーパネル、蓄電池、パラボラアンテナ、TV、LEDライト、外にはオートバイと生活が華やかになっている。引き締まっていた兄弟の身体は明らかにブクブクになり、外出時にはジーパンを履き、携帯電話を持っていく。文明の流れはついにここまで来たか。急速に変化する彼らの日常を追ったスナップショットドキュメンタリー。
※BURGED・・・(ブルゲッド。モンゴル語でイヌワシのこと)
出展作品数:モノクロ 約 35点
清水 哲朗(しみず てつろう)
1975年横浜市生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、写真家・竹内敏信事務所入社。23歳でフリーランスとして独立。ライフワークとしているモンゴルでは独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。2005年「路上少年」で第 1回名取洋之助写真賞受賞。2007年NHK教育テレビ「趣味悠々」デジタル一眼レフ風景撮影術入門講師として出演。2012年夏、15年間のモンゴル取材をまとめた写真集「CHANGE」を現地で上梓。個展開催多数。公益社団法人日本写真家協会会員。
ホームページ http://www.tokyokarasu.net/
<個展>
2014「BURGED」(オリンパスフォトギャラリー東京・大阪)
2013「冬の終わり」(ニコンプラザ新宿・大阪内「フォトプロムナード」)
2011「旅する、ロクナナ」(富士フイルムフォトサロン東京ミニギャラリー)
2011「イネーフ. Mongolian Smile.」(アイデムフォトギャラリーシリウス)
2010「The Creation 未開のモンゴル」(キヤノンギャラリー梅田)
2009「The Creation 未開のモンゴル」(キヤノンギャラリー銀座)
2008「BORDER.中国・国境線を行く.」(オリンパスフォトギャラリー東京・大阪)
2008「カフェいぬ」(Deco's Dog Cafe"田園茶房")
2007「トウキョウカラス」(渋谷spuma)
2007「草原のいぬ」(Deco's Dog Cafe"田園茶房")
2007「ひだまりver.1.02」(フォトエントランス日比谷)
2007「ひだまり」(富士フォトギャラリー五反田)
2006「第 1回名取洋之助写真賞受賞作品展」(富士フォトサロン東京、大阪ほか)
2005「7Nights」(2005年新宿・コニカミノルタフォトスクェアー)
2005「蒙古放浪」(朝日新聞社本社2Fロビー)
2004「night rainbow」with Mr.Junji Takasago(渋谷spuma)
2004「蒙古放浪」(富士フォトサロン東京)
2003「アークガーデン写真展 (~At the Garden~)」(赤坂アーク森ビル)
2002「アークガーデン写真展」(赤坂アーク森ビル)
ほか、企画展・グループ展出展多数