ホーム > イベント&キャンペーン > イベント > ギャラリー開催 過去の写真展 > 柳本史歩 写真展「-ed 東北の生活」
日常は非常に脆いものだ。ずっと続くように思えているものが、ある時あっという間に姿形を変え、フィルムの中だけにしか残らなくなってしまう。そしてその途端、フィルムの中の様子が事実だったかどうか断定できなくなる。
3月の大地震で私が取材をしていた多くの街が姿を変えた。それは私に、私が何故写真を撮っているのかを気づかせ、確信を持たせるきっかけとなった。
私はこれまで、日本の各地域に生活する人々の姿、生活スタイルに関心を持ち、取材をしてきた。それは日常の生活の何でもない光景が連なるものだった。「何故、何でもない写真を撮るのか?」取材先でたまに聞かれる質問だが、それは今ようやく答えることができるようになった。いつなくなるかもしれないという不安や疑いを持っているからだ、と。私はこの写真展を通じ、あらためて人々の姿の日常生活を撮る宣言をしたい。そしてそこから東北沿岸の人々の苛烈とも言える生き方を記録していきたいと思っている。
今写真展は、2000年よりはじまった「アイル・ビイ・ゼア」シリーズの8回目である。
このシリーズは、日本全国の町の姿、生活の仕草を、自分の目で見たそのまま持ち帰ろうとはじまったもので、これまで北海道の幌泉郡、手塩郡、檜山郡、日高郡、青森県の下北方面、山形県の鶴岡・月山、新潟県長岡・栃尾といった地域を取り上げ発表してきた。今写真展「-ed 東北の生活」は、岩手県下閉伊郡山田町を中心に、川井村(現宮古市)、宮古市、普代村、久慈市を撮影したものを、写真とヴォイス(証言)で展開する。
出展作品数:モノクロ 約40点
(c)柳本 史歩
1976年 東京生まれ
1999年 東京造形大学卒業
2000年 東京造形大学研究科修了
2005年 フォトシティさがみはら新人奨励賞受賞
<展覧会>
◎「日録 Diarism」1998年北鎌倉ワイツギャラリー
◎「五月の休日」1999年北鎌倉ワイツギャラリー
◎「ある人々の季節」2000年オリンパスギャラリー
◎「海辺の町」2001年オリンパスギャラリー
◎「旅の図説」2002年新宿コニカプラザ(現コニカミノルタプラザ)
◎「眩しい町」2002年大阪ビジュアルアーツギャラリー
◎「海山のあいだ」2002年オリンパスギャラリー
◎「遠い海・六月のさくら」2003年北鎌倉ワイツギャラリー
◎「栃尾にむかって-アイル・ビイ・ゼア-」2004年オリンパスギャラリー
◎「フォトシティさがみはら受賞記念写真展」2006年新宿ニコンサロン
◎「海上の夏」2006年オリンパスギャラリー
◎「LORE-EXHIBIT」2007年北鎌倉ワイツギャラリー
◎「LORE-EXHIBIT02」2008年オリンパスギャラリー東京/大阪
◎「故郷+<故郷>YourVillage」2009年コニカミノルタプラザ
<出版物>
◎SEASON
◎VOICES
◎LIVES
◎THERE
◎VIEWS
◎故郷+<故郷>YourVillage
<コレクション>
◎清里フォトアートミュージアム
◎相模原市