旅に出て偶然知り合った人と話し偶然通りかかった街の知らない風景に感動しシャッターを押す。
偶然が重なり積み重なった記憶と時間が捨てる事の出来ない写真になっていく。誰かに会いたくて通った事の無い路地に心惹かれ知らない街に足がむく。手付かずのまま放置されている建物、風景。少しづつ変化している祭り。大切に守られ受け継がれてきた歳時記。沖縄に訪れる度に少しづつ撮影してきました。一人一人の大切な時間を少し頂き写真を撮らせてもらう。ほんの少し、その人の人生の何百分の1を過ごさせてもらうために南にむかう風にのる。写真を撮り続ける楽しさは時間の積み重ねだと感じる。
沖縄の空と光にはごまかしの効かないシャープさがある。強烈な沖縄の色は時に力強くあり、心の中にくっきりと色を定着させるほどに記憶に残る。沖縄の写真の印象をあげると色が飽和点ギリギリの青と群青のグラデーションの空と海を思い出す。モノクロの写真は琉球の濃い血を思いだすコントラストの強さを思い浮かべてしまう。そのどちらでもないオキナワの色はどんな色だろうか。
沖縄で感じた人や物に対する優しさはどうすれば伝えられるだろうか。淡い色の沖縄から見えてくる今までと少し違うオキナワを感じてもらいたい。
出展数 約40点
(c)内 順一