ホーム > イベント&キャンペーン > イベント > ギャラリー開催 過去の写真展 > 加藤文彦 写真展「いにしえへの憧憬」
若い頃は日本の「古いもの」にあまり関心を持てなかった。京都、奈良が比較的近いのにもかかわらず遠方の友人が来訪した時ぐらいしかお寺に行く機会は無かった。しかし年齢を重ねるうちに日本の歴史や芸術に興味を持ったことがきっかけですっかり「寺マニア」になってしまった。
暇を見つけては寺社仏閣を訪れるようになったが、年間を通して多くの外国人や日本人が訪れるお寺の魅力はなかなか理解出来なかった。しかし通っているうちに都市空間では得られない異次元の体験が出来ることがすっかり気に入ってしまった。山門をくぐった瞬間から非日常の世界へ転移し昔と同じ静寂の空間に包まれる。清浄な空気に触れることにより日常の埃が洗い流されるような高揚感を得る事が出来る。高度な叡智の結晶である寺社仏閣の建築遺産の「美」は先人に対する尊敬の念を抱かせ、古来から受け継がれて来た神仏に対して敬虔な心を持つことが出来る。
多くの人々の心を引きつけてやまないお寺の魅力とは、日本人が伝統的に守り続けてきた祈りの心が創り上げた広大な癒しの空間を体験出来ることではないかと思っている。
出展数 モノクロ36点
(c)加藤文彦
【写真展】